はじまってもいなかったから

これから始めていきます

無題1

[ある日の日記の一部] 

 

 平等にあるべきだ、と謳う人と、不平等だから努力しろと、嘆く人。

 

 前者は10メートルくらい離れてから見ていたい。例えば動物園で庇護された大威張り者の糞雑魚動物スローロリス君のような生き物だ。あんなに怠慢な姿を動物園で安全に飼育されている彼ら彼女ら(?)は、自然界ではオランウータンのおやつである。そして僕はきっと左に傾いた人たちとスローロリスクンを重ねてみてしまう。檻にぶち込んで、10メートル離れて見ていた。

 

 後者はどうだろうか。実利的なアドバイスだとは思う。確かに世の中には生まれてから格差というものが存在する。それをゼロにすることはこの先10000年くらいはないのかもしれないし、永遠に訪れないかもしれない。そんなもの唾棄すべき目標なのだから、自分とその周りの個人的領域にだけ目を向け、努力して何とかしろ、といういかにも成功者が口にする言葉ではなかろうか。努力せず成功した奴なんて、中東の石油王の息子くらいではなかろうか。

 

 だけど、結局かよと言われてしまうかもしれないけど、僕はどちらも嫌いだ。

 

 人の人生にああだこうだ言いたがる人間に、いい奴なんていない。嫌になる時期にもそばにいて、いつも通り接してくれる人を一番大切にしたい。何かアドバイスを求める自分も嫌いだし、待ってましたとばかりに人生哲学を披露する奴も嫌いだ。嫌いだ。やっぱり嫌いだから僕はその人を離れてた。

 

 世界が破滅に向かっている、そんなときでも、隣でバカみたいな話をしていたい。あの隕石、さっき買ったイチゴ大福の断面図みたいだな、と笑っていたい。青春とは、きっとバカが制している。